●大好きでもう何回も読んでいる本です。
あとがきで著者の江国さんは
「無駄なものばかりで出来ている小説が書きたかった」と
書いています。
でも、その「無駄なものばかりの小説」から垣間見る主人公たちの
生活は、なぜだかきらきらしていて
「どんぶりで飲む紅茶」とか「クッキーの缶に入った写真」とか
なんでもないものがすごく魅力的に感じます。
(あと、果歩を見習ってきちんと料理をしたくなります。)

●話の中で
「なぜ私がいつもマニュキアをきれいに塗っているか分かる?
それは自分が大人だということを忘れないためよ。」
と、果歩が言うくだりがあります。
そしてそのきれいな色に塗られた爪を見て
泣きたい夜を越えていくのです。

●爪をきれいな形に整えたり
むきになって部屋の掃除をしたり
一人なのにやけに凝った料理を作ったり
そうやってやり場のない気持ちに蓋をして
本当は子供みたいにわんわん泣きたいのに。

そうやって色々なことを乗り越えているのは
私だけじゃない。と、思うと同時に
その場面を想像すると切なくて
辛かった時に我慢した涙が、今になって顔を出しそうです。

●タイトルはもう一人の主人公、静枝の言葉。
そんな恋愛が出来たら楽だろうけど
もしかしたらちょっと寂しいかもしれない。

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