百年の恋

2004年6月15日 読書
ちょっと前にNHKでドラマ化されてて気になっていた本。
ドラマの中では真一は筒井道隆で梨香子は川原亜矢子さんでした。
ドラマの方は全部見たわけではないのですが
本を読んでいる限り、この配役がぴったり。
2人が演じているシーンが目に浮かびました。

肝心のお話は…
育児日記の部分がだいぶ大きく取り上げられているのですが
実際、話の中ではそんなにウエイトは占めておらず
この夫婦の結婚生活と妊娠出産という出来事に対する
葛藤がフィクションであれ,リアルに描かれていると思います。

梨香子が「女性」という性に対して、必要以上に過剰に反応する気持ちも
でも、真一やその他周りの人たちの言い分も
やっぱりどちらも分かります。
それはまだ私が、本当に「女性」としての役割を
任されていないからかもしれませんが。

結局、この物語にもはっきりとした結論がないように
実際の生活も自分や家族の気持ちひとつで
何通りもの結論が導きだされるのだろうな。と
その時が怖いような、でもちょっと待ち遠しいような
そんな気持ちになりました。

肩ごしの恋人

2004年6月10日 読書
図書館にあったので、「直木賞とった作品だし…」
と思って読んでみました。
…以下、唯川さんファンの方はお気を悪くするかもしれませんが…

これで、直木賞取ったんですよね…
賞を取ったとか、取らないとかそんなことは脇に寄せておいても、
良くも悪くも「唯川恵作品」でした。
なんか、甘いの。全体的に。
前の作品に比べると表現や登場人物は大人になっているけれど
そこに書かれていることは変わってない。

登場人物が自分と同じ性であることにがっかりしちゃう。
共感はできるけれど、憧れはない。
かといって、山本文緒のような「えぐさ」もなく
江国香織のような「きらきら感」もなく
なんとなく、中途半端な印象。

ぼろくそに書いてしまったけれど
でも、最後のるり子の開き直り、というか
精神的に1歩踏み出して、
今までよりも違う意味で挑戦的になって
かつ、楽観的に、だけど確信を持って「幸せになる」と
言い切れるところはかっこよくもあった。かも。
久しぶりに川上弘美を読んでみました。
これは長編の物語なのですが、いつものふわふわした感じの短編を
それぞれの登場人物が立ち代り入れ替わりやってきて
話していく…というような物語でした。

正直言って、読んでいる途中はあまり
ぐいぐい引き込まれるものもなかったのですが
最後の方でマリエ、ユリエはもちろんのことその他の登場人物の
恋愛模様の様々な思いがはっきりと浮き出て
それが絡まりあっていって始めて、
「いとしい」や「せつない」などの気持ちを
はっきりと感じ取ることが出来ました。

「爆竹すき?」
「すきだよ。」
「私のことすき?」
「すきだよ。」
マリエと紅郎のやりとりです。
こんなふうにかわいく、さりげなく
好きな人の好きなものを聞くことができたらいい。

あらしのよるに

2004年5月27日 読書
子供の頃に読んだことのある人も多いんじゃないでしょうか。
6巻まである名作の絵本です。
ここのところナゼか会社で出回っていて
みんなで昼休みに読んでいます。

絵本といえど、はらはらどきどき
そしてほっとしたり、涙したり…
大人になった今でも、感じるところの多いお話です。
●他の人のなんてことの無い日常を
垣間見るのが好きなのか、なんなのか・・・
「ひとりになってみたかった」は山本文緒さんが
左の「恋愛中毒」を書き下ろしていた頃の日記です。

●1月からの1年間ぶんがつらつらとつづられているのですが
時にはがつがつ仕事をしたり
逆に仕事が全然やる気にならなかったり
会社員の私からしてみると「ふざけんなよー」と思うくらい
旅行に行っていたり、思い立って引越してみたり。
精神的に追い詰められてみたり。

●作家さんの出版用日記だから
文章もおもしろく書いてあるけれど
その日常はやっぱり日常のままで
取り立てて変ったことばかりがあるわけじゃないけれど
それでも自分じゃない誰かも
私と同じように笑ったり、泣いたり、苦しんだりしているんだな〜
となんとなく思えるそんな日記です。

●山本さんは今は確か、再婚されているはずですが
今はどんな日記がつづられているのでしょうか。
またやっぱり、たまには一人になりたい。とか
書いたりしてるんでしょうかね??
(ちなみに今はオフィシャルサイトで日記を書いていらっしゃる
と思うのですが、さすがにそこまでは私も手が回ってません・・・)
●大好きでもう何回も読んでいる本です。
あとがきで著者の江国さんは
「無駄なものばかりで出来ている小説が書きたかった」と
書いています。
でも、その「無駄なものばかりの小説」から垣間見る主人公たちの
生活は、なぜだかきらきらしていて
「どんぶりで飲む紅茶」とか「クッキーの缶に入った写真」とか
なんでもないものがすごく魅力的に感じます。
(あと、果歩を見習ってきちんと料理をしたくなります。)

●話の中で
「なぜ私がいつもマニュキアをきれいに塗っているか分かる?
それは自分が大人だということを忘れないためよ。」
と、果歩が言うくだりがあります。
そしてそのきれいな色に塗られた爪を見て
泣きたい夜を越えていくのです。

●爪をきれいな形に整えたり
むきになって部屋の掃除をしたり
一人なのにやけに凝った料理を作ったり
そうやってやり場のない気持ちに蓋をして
本当は子供みたいにわんわん泣きたいのに。

そうやって色々なことを乗り越えているのは
私だけじゃない。と、思うと同時に
その場面を想像すると切なくて
辛かった時に我慢した涙が、今になって顔を出しそうです。

●タイトルはもう一人の主人公、静枝の言葉。
そんな恋愛が出来たら楽だろうけど
もしかしたらちょっと寂しいかもしれない。

special month♪

2004年2月18日 読書
●昨日の日記に書いたとおり私の会社の雰囲気は
よろしくない。…なので、当然、遊びで月に何日も有給を
使うのは憚られる感じです。
(おまけに多分、社長も心良く思ってないでしょう・・。
中小企業にありがちだ。)
でもでも、本日、来月の有給申請書を出しました。
まだ、ちと早いかとも思ったけれどぱらぱらと何度も出すより
1度に出すほうがいいかと思って。
雰囲気は悪くても、戻されることはないので、まぁ大丈夫でしょう。
(同じチームの人にはもっと前に言ってあるし。
自分の仕事には差し支えのない日だし。)

●ってことで、来月は2度も旅行に行ってしまいます。
前半に金沢。後半に九州。
両方ともずっと行きたかったところなので今から楽しみ。

●ということで、本日は「申請書出さなきゃっ!」のプレッシャーから
開放されて、浮かれております。
仕事に飽きると上のうちどこかのサイトを見ては
にやにやしていること間違いなしです。(怪しい・・・)
でも、これで来月末までは仕事も頑張れることでしょう。

●誕生日には湯布院でお花見、出来たらいいなぁ。
●久しぶりの宮本作品。
なんだか途中まで、ミステリーのような話しでもあった。
宮本輝作品は大好きでほとんどの作品を読んでいるけれど
どうも最近の作品は好きじゃないです。
なにか、勢いに任せて、というか、感情に任せて
書かれているような印象を受けるから。
ということで、読了までの時間がやたらかかりました。

●今日、ヤフーのトピックスに宮本さん出てたけど
久々に写真を見たら、以前より太られましたね。
若く見える。
「違いの分かる男」の頃は
いかにも作家先生っていう雰囲気でしたが。

●ちなみに宮本作品で好きなのは中期
(って分けちゃっていいのかな?「ドナウの旅人」とかの頃です)
の作品です。
上の「ドナウの旅人」が私のベストで
あとは、「彗星物語」、「青が散る」。
最近の作品だと「わたしたちの好きだったこと」、
感情的に書かれているとは思うけれど涙が止まらなかった「草原の椅子」。
初期のものだとやっぱり「錦繍」。

●違う視点だと「朝の歓び」で出てくる
イタリアのアマルフィ海岸には1度行ってみたい。
旅行欲をかきたててくれるっていう意味では
渡辺淳一作品が最強だと思うけれど
それはまた機会のあるときに。

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